2025/06/07 14:53

物づくりをしていると事象に対して成功でも失敗でも明確な回答が見つからない時がある。

この場合【結果から生まれる最適解】をもって成功とする事もある。
この場合の成功と失敗の理屈が明確になったという話。
釣りをもっと楽しくしたくて作り始め、楽しんでもらおうと作っていたのにいつの間にか【検証の積み重ね】になり
現状は【化学】に触れ始めているという今までで一番深いところにきてしまった。という話。
作り始めて6~7年の歳月の回答が出ずに歩いてきたヘドロみたいなものをどこかに吐き出したいだけなので見なくてもいいです。


いきなりですが皆さんはゼリーエースとかシャービックみたいなものを作ったことがありますか?
よく私はワームを作りたい人に
『マテリアルや再利用品をいきなり使っていきなりやるなら安全で環境負荷にやさしいゼラチンでやりな』
といいます。それが上記のもので特にゼリーエースは過熱もするのでワームの基本状態キットみたいなものです。
材料は水と粉。それをまぜ加熱し冷やす。規定分量を守り規定手順を行えば【成功】します。
ワームとしては使い物になりませんが、ゼリーとして形状を保てていれば成功です。
そしてここから、このままで良い。味の濃い薄い。硬い柔らかい。香りがある無い。
の気になる部分をカスタマイズするわけです。
ここからはたとえ話になります。


イチゴが好きだからゼリーに入れたい。
イチゴを入れるタイミングと形状に問題が出てきます。
①粉と水を合わせたときに入れる:A 切ったもの B丸ごと
②粉と水を合わせ加熱中に入れる: A切ったもの B:丸ごと
③加熱直後火からおろした時点で入れる: A切ったもの B:丸ごと
④加熱後ある一定の温度まで下げてから入れる:A切ったも B丸ごと
⑤常温まで下げてから入れる:A切ったもの B丸ごと

少なくともこの10種程度のデータは採らないと話にはなりません。
更に②、④に関しては各5~10段階でデータをとってから味の好みの話になります。
また②に関しては弱火で温度を上げていく、強火で一気に上げる。ある一定の温度までは弱or強でそこから先弱or強。

ゼリーとイチゴの組み合わせですが実際のワーム作るときのテストです。
そしてある程度の基準が固まるまでは先入観を持たさないため何も言わず混ぜてテスターに渡していました。
資質をこちらでも判断したいからです。

ここまでは試食をしてみてるとはいえ【製作者の好み】か【製造テストの産物】で、
まだ【製品化する・しない】【一般的なおいしい・まずい】はモニターしていただかないと評価ができません。
いわゆるここが

【全くお金にならないのにいくらでも金がかかり回収の難しい基礎研究】

といわれる部分です。

ここで【イチゴを入れるとなんが硬くなる気がする】という事象が起きました。
①~④の工程でA/B問わずおきますが⑤Bはやや硬くなる程度⑤のAだけおきません。
味的にも⑤Aが評判いいので製品化しました。→開発終了
別の世界では【もっと柔らかい刻んだものが良い】といわれました。→開発続行
検証の結果①~④の中で後半④は比較的柔らかい状態であるというで④Aが一番柔らかく④Bが次いで柔らかい。
ということは過熱をしない状態のイチゴを入れれば硬くなりにくい。という答えが見つかりました。
しかし、理由がわかりません。その理由を研究すれば制度があがり対処もできますがコストも上がります。
理由がわからずパイナップルやメロンの時に同じ事象が起き対処が無効だったらまた最初からすべてのテストをしなくてはいけません。
ここでは【温度】と【イチゴの形状】が問題点ですが、これが【温度】【時間】でしたらどうでしょう?
開始〇秒まではAプラン〇秒後よりBプラン一度過熱を止め自然or強制で常温まで冷却後再加熱〇度で▲秒加熱後再冷却…
こんなテスト項目は無限に項目が作れるのでどこかベンチマークを設けて落としどころを見つけるわけです。
話をすり替えましたが、皆さんはイチゴを入れると硬くなる。の理由はわかりましたか?
推測なのでなんともですが、果物にはペクチンというゼラチンみたいな成分があるのでこれが作用して硬くなったのではないか?
という架空のお話です。突っ込みとしては未加熱なら酵素生きてるだろ?どうなんだよ?ということですね~

架空の話ですが皆さんは一応の落としどころが出てすっきり?されたと思います。
しかし私はこの回答なき事象が7年続前後いていました。
精度を上げれば上げるほど人がわからずとも自分はそれがわかってくる…
少なくともテスターですら言ってこないくらいの誤差でも、自分では明確な違いがわかるので製品不良と思われる不安で売れない。
そしてこの事象はケースバイケースでメーカーに問い合わせても教えてもらえません。
ただでさえ情報開示が少ない世界の上、企業秘密の様な部分です。
コミュニティ探すのもどのワードが適当なのかすらわからない。
雑な自分の経験則の対処法だけがある状態で根本的解決はできていない。
そもそもの一歩目から故意かどうかわかりませんが信用していた人に誤情報を与えられ失敗から始まって自分で歩くしかなかった。
本当に真っ暗な中、ひとり迷路をさまよっていて時々別の出口を求める方々の強さに鼓舞されながら歩いていたら、
急に光がさして亡骸だと思って怖がって遠回りしたけど実は鎧で変なものを踏んだと思い一目散で逃げたところにあったのは豪勢なマントでそばには立派な剣が置いてあった。そして見えた場所は別に迷路でも何でもない普通の街並みだった。
という三文小説の様な事で自信が持てました。
そして絶対的なシークレットと言っていたものは本当はメーカーガイドラインに乗ってるし、
本当はいってただけでシークレットでもなんでもなくてそこにたどり着くプロセスが沢山のある中でほぼ最適解だったという事でした。
ツイートの画像はそういうやり取りでした。

そして手抜きでやっていたことが実は重要なプロセスであった。という嘘みたいな話も。

もしかしたら他の方は知識として当たり前だったり、
もっと前に気が付き当たり前のことで語るレベルの話でもなかったのかもしれません。
ただ、全く同じ配合を同じ道具で違うもので仕上げることができる知識を得ました。
余りにも繊細なので多分しませんが…